材質について
三線で最も大事な部分である棹ですが、お気に入りの三線を探す際の重要なファクターとして材質選びがあります。
ここでは、三線の棹の材質について当店なりの解釈と定義をからめて説明いたします。
※材質名は一般的に県内の三線店で呼ばれている、および当店で呼んでいる名称です。
三線の棹材としての理想的な条件
- 硬い
- しなりがある
- 実が詰まっている
三線はギターのようにフレットのない楽器ですので、弦を押さえるときに直接棹に触れます。
柔らかい木材だと比較的はやくへこんでしまいます。
したがってできるだけ硬い木材がよいのですが、胴との共鳴具合を考えるとある程度しなりがあるほうがよいように感じます。
実が詰まっている木材だと仕上がった際の手触りや美しさがあり、それが三線を手にするときのひとつの愉しみでもあります。
同じ木材でも価格差がでるのは、実の詰まり具合にもよるのですが、逆に実の詰まりが浅いけれども、それが木の※杢(もく)となり仕上がった時に独特の模様を出す場合は貴重なものとなるため、一概にはいえません。
※杢(もく):ウジラミー、本来鶉杢のことを言うのでしょうが、沖縄では杢全般のことをそう呼びます。片材である「白太(しらた)」とは区別します。
三線の棹材として使用される材木
- 黒檀
- 琉球黒檀(リュウキュウコクタン)
コクタン、クロキ(方言ではクルチ)とも呼ぶ。
カキノキ科の常緑広葉樹で、三線の棹材として最も好まれる、憧れの材。
- 八重山黒木
八重山諸島で採れたものを、八重山黒木(ヤエヤマクルチ、エーマクルチ、エーマー)として最も貴重なものとして取り扱われる。
- カミゲン
フィリピンのカミギン島から採れた八重山黒木とほぼ同種の木材。
沖縄に持ち込まれた際に「Camiguin」をカミゲンとして発音され、そのまま定着している。
※ウィキペディアによると、カミギン島の名前の由来はカマゴンであるらしい
The name Camiguin is derived from the native word “Kamagong”, a species of the Ebony tree ~
- カマゴン
- 縞黒檀
- 紫檀
- 花梨
- 鉄刀木(タガヤサン)
- ユシ木(イスノキ、ユスノキ)
パンキライ、さくら、樫、
現在、当店で保有している製作可能(フルオーダーの場合)な材木
- カミゲン
- カマゴン
- 縞黒檀
- ゆし木(イスノキ、ユスノキ)